イベントレポート:山梨県立博物館が開館20周年を迎えた特別展『甲州財閥展』~「日本で初めて」に挑んだ人々~
『甲州財閥展』でツカモトコーポレーションが紹介されました
山梨県立博物館 開館20周年記念特別展
『甲州財閥展』~「日本で初めて」に挑んだ人々~
2025年10月11日(土)~12月1日(月)
〒406-0801 山梨県笛吹市御坂町成田1501-1
資料・協力:山梨県立博物館
本展示は2025年12月1日までとなっております。
たいへん興味深い企画展ですので、ぜひご観覧ください。
甲州財閥とは
明治から昭和初期、山梨県出身の実業家たちは、金融・商工業・交通・文化の各分野で活躍し、近代日本の基盤を築きました。代表的人物には以下の方々がいます。
若尾逸平:甲州財閥のセンター
東京電燈・東京馬車鉄道の経営、中央線の実現に尽力。初代甲府市長、貴族院議員
雨宮敬次郎:「天下の雨敬」
甲武鉄道・川越鉄道などの経営、中央線の実現時に。尽力。民間初の機械製粉業、軽井沢植林、先人哲山、製鉄所を経営
小野金六:人望厚き甲州財閥のリーダー
富士身延山鉄道(現JR身延線)の設立、富士山観光開発に取り組む。富士製紙などの企業経営
根津嘉一郎:日本の「鉄道王」
東武鉄道をはじめとする数多くの鉄道とさまざまな企業を経営。芸術文化への造詣深く、教育事業にも多くの投資を行う。
堀内良平:「富士五湖」の呼称を広めた
富士身延鉄道(現JR身延線)や富士山麓電気鉄道(現富士急線)を設立。東京乗り合いバス事業(通称「青バス」)に先鞭をつける。
小林一三:宝塚歌劇の父
阪急電鉄・宝塚歌劇を創立し、民営鉄道の新しいビジネスモデルを創出。映画やスポーツ工業など現在のライフスタイルに大きな影響を与える。
早川徳次:地下鉄の父
東京地下鉄道を設立し、日本で最初の地下鉄を実現。沿線百貨店と連携して地下鉄ストアの経営に携わる。
山梨県と塚本定右衛門、ツカモトコーポレーションの縁
滋賀県出身の塚本定右衛門は、1812年(文化9年)、京都からとりよせた小町紅が一番売れた場所、甲府に店を開きました。これが、ツカモトコーポレーションと山梨県との深いご縁の始まりです。
塚本定右衛門の功績
1907年(明治40年)大水害などによって荒廃した山梨の山林の復旧費用として、恩返しのために山梨県に寄付を行いました。現在も植林地に「塚本山」の名を残していただいております。 今回の特別展では、地域と社会への貢献を通じ、甲州財閥の黎明期に活躍した近江商人の一人として紹介していただいております。
根津ピアノと文化の広がり
会場には、根津嘉一郎ゆかりの「根津ピアノ」も展示され、10月10日のオープンセレモニーでは実際に演奏が行われました。 音色は、甲州財閥の人々が育んだ文化の豊かさを伝え、展示に華やぎを添えました。
この根津ピアノは、根津嘉一郎が山梨県内の全小学校に寄贈した約200台のピアノのうち現存する1台です。ヤマハ製のアップライトピアノで、合板を使用せず、朱塗りで仕上げられており、当時の国産品の重圧さを感じることができます。オープニングセレモニーでは、山梨県を代表する小学生ピアニストによる演奏がありました。
「やまなし人物探訪」でも紹介
山梨県立博物館に新設された「やまなし人物探訪」でも塚本定右衛門を紹介していただいております。 その先見性と地域への思いが詳しく紹介され、歴史に息づく人物像を身近に感じられます。
ツカモトコーポレーションの理念
ツカモトコーポレーションは、創業の原点である山梨の地を大切にし、「美しい生活がいい」というスローガンのもと、これからも人と社会をつなぐ企業として歩みを続けてまいります。